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(ソルラル:元旦)  
韓国ではお正月を陰暦で迎えます。現在の暦は一般的には陽暦を基準にしていますが、年中行事や歳時風俗については今でも陰暦が基準にされています。陰暦の1月1日のことをソルラルといいます。ソルラルは名節のなかでも最も大きな名節です。(ちなみに、今年のソルラルは西暦の1月22日)韓国ではソルラルをはさんだ3日間は連休になっており、人々はこぞって故郷に帰省、その様子はまさに民族大移動さながらです。現在は故郷を離れて都市で暮らす人が多くなりましたが、人々は交通渋滞をものともせず、故郷に集まろうとします。これには親族間のつながりを大切にする韓国人の情緒がよく顕れています。ソルラルには多くの歳時風俗が見られますが、ここではそのなかから茶礼(チャレ)・歳拝(セベ)・歳粧(ソルビム)・ポクチョリ掛け・夜行鬼払い・トック(餅汁)・ユンノリを取り上げて紹介することにしましょう。
(1)茶礼(チャレ)

 

ソルラルの日は、朝早くから親族みんなが一堂に集まって、まず祖先に「今年も皆が健康で無事に暮らせますように」と祈りをささげる祭祀を行います。これを茶礼(チャレ)といいます。祖先に見立てた紙傍(チバン)を屏風に貼り、その前にところ狭しと並べた歳饌(セチャン)のお膳を置きます。歳饌はたいてい一番手前の列に果物を置きますが、東には赤い果物、西には白い果物を配置します。二番目の列は菜(チェ)と呼ばれる野菜の和え物類を、三列目には湯(タン:羹)を供えます。この場合、東には魚湯を、西には肉湯を配置します。四列目には炙(チョク:焼き物)や煎(チョン:揚げ物)を、これもやはり東には魚類(魚の頭は東向き)、西には肉類を置きます。五列目にはご飯と汁、右側に餅類、左側に麺類を供えます。

 ソルラル
 神秘の海の道
 
 
 
 

 

(2)歳拝(セベ)

茶礼が終わると、親族で最も目上の人に皆が新年の挨拶をします。これを歳拝(セベ)といいます。全員での歳拝の後は茶礼の供物で皆が朝食を取り、今度は隣近所に歳拝をしに出かけます。訪ねて来た人が大人の場合はお酒や食べ物でもてなし、子供の場合はお年玉や餅、果物などでもてなします。

 

(3)歳粧(ソルビム)

 

ソルラルの日は老若男女を問わず、皆が早起きをして新しい服を着ておしゃれします。
これを歳粧(ソルビム)といいます。
昔は歳粧に着た新しい服はテボルム(正月十五日)の日まで着るのが普通でした。

(4)ポクチョリ掛け

 

ソルラルの日、または大晦日の日に竹で編んだ取っ手のついた小さなざるを買って、壁に掛ける風習があります。このざるのことをポクチョリと呼びます。
これは、この取っ手のついたざる(チョリ)が洗った米を掬い取る道具であるところから、新年の幸運(ポク)を掬い取るという意味があります。また、このときに一年分のチョリを買っておいて順に使うと、一年中幸運が舞い込んでくるという民間信仰もあります。昔は、大晦日の夜からソルラルの朝までポクチョリ売りがポクチョリを売りに回りました。

 

(5)夜光鬼払い

 

誰が言ったのか・・・今に伝わるソルラルの晩に現れるお化けのお話。ソルラルの晩に夜光鬼(ヤグァンギ)というお化けが人知れず家に入ってきて、人間の靴を履いてみて、自分に合う靴があるとそのまま履いて行ってしまうというのです。靴を盗まれた者はその年は運が良くないといいます。そこで、大人も子どももソルラルの晩は靴を部屋の中に置いて寝ます。そして、やって来る夜光鬼を追い払うために、ふるいを庭先に掛けておきます。そうすると、夜光鬼がふるいの穴を数えようと気を取られているうちに、一番鶏が鳴いてびっくりして逃げていくのだそうです。

(6)トック(餅汁)

 

ソルラルのご馳走、歳饌(セチャン)のなかでも代表的なのがトックです。ソルラルの朝には必ずトックを食べます。韓国ではソルラルを迎えると年を一つ取ると考えられていますが、「トックを食べてはじめて年を一つ取る」という言葉もあります。早く大人になりたい子どもが何杯もトックをお代わりする、なんてこともあります。<br>
 トックの餅は米粉で作られており、現在では牛肉や鶏肉を具財に使いますが、昔は特別に雉肉を使うこともありました。<br>
 ソルラルにトックを食べるのは、古代の太陽信仰に由来するものとも考えられています。新しい年明けの輝く太陽を象徴する白くて丸い餅を食べ、太陽の気を体に取り入れるのです。

 

(7)ユンノリ

ソルラルの代表的な遊びの一つで、双六によく似ています。家族みんなが集まって二チームに分かれて版の上のコマを進めながら勝負を競います。双六ではさいころを使いますが、ユンノリではユッカラと呼ばれる4本の木の棒をふり、進む目を決めます。ユッカラをふるときには「チ〜ファ〜ヂャ!」とかけ声をかけたりします。

 

参考:『韓国文化の手引き』国立国語研究院
図書出版ハッコヂェ、2002
韓国国立民俗博物館ホームページ http://www.nfm.go.kr/folk/main.jsp